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「洗濯物退避くん」は突発的な雨に対して,洗濯物を守るためのシステムです.雨センサで雨を検知し,洗濯物回避機構で洗濯物を安全地帯へ退避させます.このシステムにより,洗濯物が雨により濡れることを防止でき,再洗濯による水資源の浪費を予防することができます.

開発背景

ゲリラ豪雨に代表される突発的な雨を予測することは,現在の気象予報システムであっても困難を極めます.突発的な雨は,干されている洗濯物に対して大きな被害を及ぼします.乾燥時間が長期化するばかりか,場合によっては洗濯のやり直しが必要になります.

そこで,我々は突発的な雨から洗濯物を守るためのIoTシステムを作成しました.雨センサにより,リアルタイムでの雨の検知を行い.洗濯物回避機構によりボタン1つで洗濯物の退避が可能になります.

 

設計

全体像は以下の図のようになっています.今回のシステムは,雨を検知する雨センサ機構,洗濯物退避機構,そして全体の制御を行うAndroidアプリから構成されます.

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Android上に実装したアプリは,一定間隔でセンサを繰り返し読み込み,雨の有無を画面に表示します.そして,洗濯物退避機構により洗濯物を安全な場所へ退避させることができます.この機構はAndroidアプリから操作可能であり,ユーザによるボタン押下により起動します.

実装

雨センサ機構と洗濯物退避機構の制御として,それぞれ異なる2つのRaspberry Piを使用しています.各Raspberry Pi上ではWebサーバが稼働し,そこへAndroidアプリがGETリクエストを送信することでシステム全体の制御を行っています.

Android上に実装されたアプリは,Javaによって開発されており,一定間隔で雨センサ機構へGETリクエストを送信しています.なお,雨センサを読み込む間隔は天気APIであるDark Sky API(https://api.rakuten.net/darkskyapis/api/dark-sky)を使用して調節しています.天気APIから1時間後の天気を取得し,雨が予測されるならばセンサの取得間隔を短くします.このことにより,雨の早期検知と待機電力の省電力化を実現しています.雨が検知できると,アプリ画面に雨であることを表示します.さらに,アプリには洗濯物退避機構の実行ボタンを備えています.このボタンが押されると,洗濯物退避機構へGETリクエストが送信されます.

雨センサ機構では,Webサーバが稼働しており,GETリクエストに対して応答可能になっています.GETリクエストを受け取るたびに,センサの値を読み込み返答します.センサにはLM393 雨滴センサを使用していまいます.ここに水滴が付着することで,雨であることを検知することができます.また,WebサーバとしてApatchを使用しています.

洗濯物退避機構は,制御のためのRasberry Piと洗濯物の移動のためのモータシステムから構成されます.このRasberry Piも先程と同様に,GETリクエストに対して応答可能になっています.GETリクエストを受信すると,モータシステムを起動します.モータシステムは,以下のような仕組みになっています.

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モータシステムが起動されると,モータが回転し,糸が巻き取られます.糸の先端とモータシステムの間にあるハンガーが,巻取りとともに安全地帯に退避されます.モータの制御はC言語プログラムで記述されており,一定時間だけモータを回転させるという単純な実装になっています.

 

動作例

動作例を以下に示します.

現在のシステムは以下の制約が存在します.

* 現在のシステムでは,同一ネットワーク内でないと通信ができないという制約があります.ただし,各RasberryPi上のWebサーバを外部からアクセス可能にすることで,外出先から洗濯物を退避することが可能になります.
* モータ出力の制約により,移動可能な洗濯物の重量に制限があります.
* 洗濯物を元の位置に戻す機構は未実装です.

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