こちらの記事について、内容・翻訳・視点・長さなど、皆様のご意見をお送りください。今後の記事製作の参考にしたいと思います。
Thank you! Your feedback has been received.
There was a problem submitting your feedback, please try again later.
こちらの記事の感想をお聞かせください。
今年も流しそうめんをやりたくなるような暑い季節がやってきました。暑い夏に適した食べ物、それは冷たいそうめんです。暑く火照ったからだに最適です。せっかくそうめんを食べるなら、風情ある流しそうめんを楽しみたいと考えるでしょう。しかし、流しそうめんを行うにはそうめんを流す係が必要になります。何人かの仲間でやる場合に一人は食べることができません。食の恨みというのは怖いものです。
そこで、複数人で同時に公平な流しそうめんを楽しめるよう、そうめんを自動で投入する装置を作成しました。本記事にて紹介する装置は、専用のAndroidアプリと共に使用します。アプリ上のボタンをタップすれば、そうめんが一口分投入されるというものです。
材料
以下に流しそうめんマシンで用いた部材を記述します。
- そうめん
- 竹
- Raspberry Pi 3B+
- TA7291P
- S7136光変調型フォトIC
- 赤外線LED
- タミヤ 楽しい工作シリーズNo.100 トラック&ホイールセット
- タミヤ 楽しい工作シリーズNo.168 ダブルキアボックス左右独立4速タイプ
- モーター(タミヤ ダブルキアボックスに組み込み)
- 塩ビ管(直径50mm, 長さ15cm程度)
- 塩ビ管の蓋×2(50mm, 塩ビ管にはまるもの)
- 釘(鉄くぎ, 長さ50mm程度)
- ネジ(長さ50mm程度)
- 接着剤(ゲル状の瞬間接着剤が望ましい)
- 合板(幅30cm程度, 長さは任意)
- 角柱(太さは2cm×2cm程度, 長さは任意)
- シート(幅10cm程度, 長さは任意)
そうめん投入機構
そうめんを投入する機構について説明します。この機構は、台座上にシートが置かれており、台座裏のモーターが塩ビ管を回転させ、シートを巻き取ります。このシートの上にそうめんを載せることで、シートがある程度まかれたところで流しそうめんの水路にそうめんが1塊投入されます。
また、以下にこの機構の各コンポーネントについて説明します。
筐体
筐体は、合板と4本の角柱からなる木製の台座です。ここに、モーターや各種制御コンポーネントを取り付け、シートをのせます。
この筐体は、以下の手順で作成しました。
- 塩ビ管を適切な長さに切る
- 角柱を切り出し、合板に足として取り付ける
- 合板にブレッドボードを固定
- 塩ビ管の蓋とダブルキアボックスを固定
- 塩ビ管に蓋をつけ、塩ビ管蓋とギアボックスを固定
- 塩ビ管を合板と角柱で作った台座に固定
- 塩ビ管にシートをつけ、モーターの回転により巻き取られるようにする
- 塩ビ管につけたシートを伸ばし、台座上にのせる
そうめん検出部
そうめんの検出には、赤外線センサー(光変調型フォトICと赤外線LED)を用いました。筐体の図にある左側のブレッドボード上にセンサーが取り付けられており、右側のブレッドボード上に赤外線LEDが取り付けられています。そうめんが落下するタイミングでセンサーと赤外線LEDの間を通過し、センサーは発光が遮られたことを検知します。このとき、センサーはラズベリーパイに信号を送ることでモーターの回転が停止します。
シート巻き取り部
モーターによって塩ビ管を回転させ、塩ビ管にシートを巻き取ることによってシート上のそうめんが水路に投入されまする。モーターの制御はTA7291Pによって行い、Raspberry PiからこのICを利用して正転操作とブレーキ操作を行います。
Raspberry Pi
Raspberry Pi側のアプリケーションについて説明を行います。Raspberry Piではモーターの制御を行いそうめんを水路に投入します。
Raspberry Pi側ではWebサーバが建てられており、PHPで書かれたプログラムがおかれています。このプログラムでは実際にモーターを制御するプログラムを起動します。
モーターを制御するプログラムではGPIOに接続されたTA7291Pを利用してモーターを制御します。プログラムが起動するとモーターを回転させます。次に、センサー(S7136)が遮蔽物(そうめん)を検出するとモーターを停止します。これによりそうめん一口分が水路に投入されます。
Android アプリケーション
Android側のアプリケーションについて説明を行います。このAndroidアプリではAndroid端末からそうめんを投入する命令を出すことができます。
Android側のアプリケーションにはボタンが一つ存在します。このボタンを押すとRaspberry Piに向けてHTTPでリクエストが送信され、そうめんが一口分投入されます。
回路図
作成した流しそうめんマシンの回路図は次のようになります。
デモ
次の写真は、流しそうめんマシンが動作する前の写真です。Android端末からそうめん投入命令を送ると、流しそうめんマシンが動きます。写真では二口分のそうめんがありますが、最初の一口分だけが投入されます。
次のアニメーションは、実際に流しそうめんマシンを動作させたときの様子です。一口分のそうめんが投入された後、マシンが停止しており正常に動作していることが確認できます。
応用
本記事は2020年のコロナ渦の中で執筆されました。コロナウイルスの影響により複数人で集まることも難しくなっています。流しそうめんマシンはインターネットを経由して操作できます。複数人でビデオ会議システムを使用しながら本装置を用いれば、他人にそうめんを投入してもらい、それを食すといったユーザーエクスペリエンスを得ることができます。