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大気汚染の解決の鍵はクラウド(IoT)!?

大気汚染の拡大は全ての人類にとって深刻な懸念です。酸性雨やオゾン層の破壊など、その他の環境問題を引き起こし、気候変動にも影響を与えかねません。

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我々イギリス人は皆、濃いスモッグに覆われ都市の写真を見たり、空気汚染の健康被害について読んだりしています。それは1952年12月にロンドンを襲った大スモッグの記憶があるからです。この大スモッグの影響によって、わずか4日間で12,000人が亡くなり、その後数か月間でさらに8,000人が死亡したといわれています。この災害が発端となり1956年には英国大気浄化法が制定されました。発電所を都心から離れた郊外へ移設したり、無煙炭の導入が進んだり、様々な対策がとられたことによってスモッグの防止、および大気汚染は改善していくこととなりました。

黄色の濃霧

かつてロンドンの空をたびたび覆って多くの死者を出した「黄色の濃霧」は、現在では歴史の本でしか見ることができません。しかし、ロンドンの大気汚染が完全に無くなったかと言えばそうではありません。以前よりマシになったという程度でしかないのです。

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約70年経った今、ありがたいことに、あの時のような被害は起きていません。しかし広い世界に目を向けると、中国、インド、パキスタンなど、局地的ながら健康被害を与える大気汚染が増えています。世界保健機関(WHO)は、毎年700万人以上が大気汚染の犠牲になっていると主張しています。特に、大気汚染が深刻な懸念となっている地域に世界人口の91%が住んでいるという声明と併せると、これは驚異的な統計です。

よくあることなのですが、こうした国の政府は急速な工業化がもたらす長期的な影響を甘受しているため、環境への影響を優先的に考慮せず、今になって何とかバランスを取ろうとしています。たとえば中国では、急速な経済成長に伴う電力需要の増加に応じて石炭火力発電所を急激に増やしましたが、その結果、さらに大きな公害が引き起こされました。現在は、石炭火力発電所の取り締まりと天然ガスによる発電への切り替えが進み、国全体で公害レベルが大幅に減少しています。

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画像提供: NBC News

巨大空気清浄機

中国陝西省の西安では、大気汚染に対するユニークで革新的なアプローチが考案され、高さ100mの空気清浄タワーが建設されました。このユニークな建築物は、基部の周囲にある巨大な温室に空気を吸い込んで加熱します。暖まった空気は複数の浄化フィルタ層を通過しながら上昇した後、上部から放出され、10km四方の地域の大気汚染を改善していると言われています。周辺地域から収集された大気汚染データからの試算によると、この装置により大気中の浮遊微粒子が15%削減し、数百万立方メートルの空気が処理されたことを示しているそうです。この建築物は計画時のものよりずっと小さなもので、本来は高さ500m、直径200mの大きさで温室を備え、周辺30km四方をカバーする予定でした。このタワーなら、小規模な都市の空気を浄化できると言われています。この装置の効果が本当なら、まさに驚くべきことです。多数の革新的な設計が形になっていますが、こちらでは、見る価値のある、興味深い構想を見ることができます。

世界中の都市が率先して、汚染問題に歯止めをかけようと、特定の時間帯における自動車の進入禁止や台数制限に加え、排気量と燃料の種類を規制しています。公共交通車両はもともとディーゼル駆動でしたが、天然ガスへの転換が進みつつあり、自転車レーンの設置と自転車利用が推進されています。どれもすばらしいアイディアです。ドイツのフライブルクには500kmの自転車専用道路があり、安価で効率的な公共交通機関となっています。ヴォーバンという地区では、住民は自宅近くに車を止めることができず、車の所有者は18,000ユーロを払って町外れにある駐車場を利用します。この明らかに厳し過ぎる手法と引き換えに、住民には安い住居と無料の公共交通機関が提供されます。

リアルタイムの大気

個人レベルで考えた場合、大気汚染を減らすために何ができるでしょう?

実はひとつ面白いチャレンジがあります。IoTを活用して大気汚染の見える化を行うものです。

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フランスにあるPlume Labsは、スマートフォンアプリと連携して機能する個人用大気汚染監視デバイスを開発しました。他のユーザーから収集した情報と併せて、世界中の都市で包括的なデータを捕捉できます。このデータは、地域の大気汚染レベルに関する情報をリアルタイムで提供し、汚染が深刻な地域や時間、それほどでもない地域や時間など、興味深い情報を示すのに役立ちます。一般的に、地域の大気汚染レベルに関する政府データは非公開で、リアルタイムで表示されません。(少なくとも私が暮らす英国ではそうです。)つまり、町や市のどの地域が汚染に悩まされているのか、通常はわかりません。このPlume Labs社のような技術は、データを監視、提供し、より個人的なレベルで大気汚染に立ち向かうには何ができるかを明確に知ることができます。この情報を世界中の何十万、おそらくは何百万ものユーザーのデータと統合することが、よりきれいで安全な大気を得るための闘いにおいて非常に貴重であることがわかります。

IoT、大気と訴訟

IoTは、公共安全のこの分野における構想や技術革新で主導的な役割を果たしています。企業や政府に対する訴訟や彼ら自身と住民を守るよう課せられた責任により、より安全な大気中での開発は増える一方でしょう。たとえば、英国政府は大気汚染対策に取り組まなかったことで何度も告訴されています。Exxonは、ガルフコーストのプラントで「ガソリンを燃やして」大気を汚染したとして、250万ドルの罰金の支払いを科せられました。国連は次のように述べています。

 「大気を汚染した者、環境を破壊した者が、その破壊や汚染に対するコストを支払わなければならない」

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まだそうなっていなくても、罪のない一般市民の負傷や死亡を招く深刻な大気汚染を避けるために適切な措置を取らなかったことを理由に、企業や政府が多額の罰金を科されるのは時間の問題です。自己満足は言い訳になりません。

IoT経由で収集できるデータは、ネットワークに接続してインテリジェントデータを提供可能なデバイスの数と共に、生活のあらゆる分野で急激に増えています。大気汚染と私たちが吸っている大気の質は、住んでいる場所や働いている場所などの個人的な環境を除き、さまざまな機関や企業に依存せざるを得ません。私たちは、有害汚染物質を生み出した責任を負う、そうした機関や企業と共存しているのです。先ほど述べたとおり、私たちは間違いなく、「Flow」のようなデバイスや革新的な大気監視ネットワークの形で多数のプロジェクトや設計を通して、IoTへのデータ提供に既に貢献しています。少しGoogleを検索すれば、多くのArduinoやRaspberry Piの大気監視プロジェクトはおそらく一般的な消費より個人的満足のために存在しているとはいえ、将来的な開発の種をまくのに役立っていることがわかるでしょう。

多様な生き方を包含するオープンソーススタイルの設計は確かに、あなたのような一般ユーザーでも使用可能な幅広いセンサと連携する、可能性を秘めた大気監視デバイスネットワークの拡大に貢献するでしょう。これは、そうなるかどうかの問題ではなく、いつそうなるかの問題です。

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