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4G LTE技術Cat-M1、NB-IoT対応 IoTアプリケーションを短期間で評価・開発可能に - ルネサスのAE-CLOUD2 -

■IoT用のLPWA通信にセルラー網の活用が進む(LTE Cat-M1とLTE NB-IoTの出現)

昨今 IoT(Internet of Thing)市場の登場により、組み込み機器開発の手法を見直す必要性が出てきました。従来であれば、センサーと周辺機能をマイクロコントローラで制御するだけで開発が終わっていましたが、IoT機器の場合、有線LAN、Wi-Fi、LPWA、セルラーなどの各種通信方式を使用したインターネット接続の確立のほか、接続に必要な各種プロトコルスタックの管理やクラウドサーバ側との連携をサポートする必要が出てきたのです。

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ある程度成熟している有線LANやWi-Fiであれば開発もさほど複雑ではありませんが、IoT端末のキーソリューションであるLPWAの通信制御は全く新しい分野の技術であるため開発の重荷となってしまう傾向にあります。しかし昨今このLPWA通信に携帯電話やスマートフォンの基地局を使ったセルラー網を活用する動きが広がっています。我々の生活にもっともなじみのある無線方式であるセルラー網ですが、かつてIoT活用という点では成功の見込みが薄いと考えられてきました。音声を途切れることなる高品質に伝送することに特化したセルラーネットワークは、電力消費と実装コスト面でIoTに向かないと考えられていたからです。たしかに携帯電話用の通信と IoTは以下の点で大きく異なっています。

  • データ量が少ない
  • データ頻度が少ない
  • 端末が移動することがない

こうしたIoT特有のニーズ(低品質でもよいので低消費低コストでの通信)に適応するよう、多くのセルラー標準化団体や移動体通信事業者は、IoT通信をターゲットにした以下2つの新しい通信方式を開発し4G LTE方式に内包しました。

  • LTE Cat-M1(カテゴリーエムワン)
  • LTE NB-IoT

これらはデバイスのスリープモードの時間を延長し、セルラーネットワークへの接続時間を短くでき電力消費を抑えます。これらの新しいネットワークは、認可されたセルラー帯域のチャンネル間で免許不要の未使用ガードバンド周波数を活用し、音声通話がIoTデバイスから送信されるデータと共存できるようにすることで通信の最適化を実現しました。

■ IoTアプリケーションに最適 セルラー技術4G LTE の Cat-M1およびNB-IoTとは

セルラー方式「4G LTE」上に規格化されたCat-M1およびNB-IoT(Cat-NB1)は、イーサネットやWi-Fiなどの固定インターネット接続が近くにない遠隔操作機器やモバイル機器に適しており、アセットトラッキング、ウェアラブル、パーキングメータ、農業用モニタ、都市インフラなどに利用されています。

Cat-M1は、高信頼性低遅延が求められるIoTアプリケーションに最適です。Cat-M1は認証、資格情報管理、暗号化をサポートしているため、北米の携帯電話通信業者はCat-M1を優先的に導入してきました。

一方、NB-IoTは、デバイスが接続状態中に基地局間のハンドオフをサポートせず、デバイスができるのは接続待機中に基地局を選択して接続することだけです。こうしたデバイスの移動制限があるため、NB-IoTが適しているのは、スリープ/待機モードを維持して基地局への接続は一定間隔でしか行わないタイプの、データ送信頻度が低いデバイスやセンサーです。また、Cat-M1とは異なり、NB-IoTは音声通話をサポートしませんが、ヨーロッパの携帯電話通信業者は、最初はNB-IoTネットワークを優先的に導入していました。

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■ AE-CLOUD2
でセルラー含む無線通信のクラウド接続開発を簡単に!

組み込み開発者がCat-M1やNB-IoTなどのセルラー技術を短期間で容易に評価できるよう、ルネサスはAE-CLOUD2を開発しました。AE-CLOUD2を使用すれば、温度、湿度、圧力、照度、磁気、GPSセンサー情報をリアルタイムで分析し、セルラー、イーサネット、Wi-Fiによる接続機能を活用したデータ連携を可能にするIoTアプリケーションを迅速に開発できます。AE-CLOUD2は、Cat-M1 およびNB-IoTとともに、2G、GPSもサポートするBG96セルラーモジュールを内蔵(同梱)しています。AE-CLOUD2のセルラー統合により、組み込み開発者はセルラー接続オプションを迅速に評価できます。また、AE-CLOUD2はグローバルな認証も受けているので、組み込み評価の一部としても、初期プロトタイプ基板としても世界各地で使用できます。読み込んだファームウェア応じて、AE- CLOUD 2はSynergy Enterprise Cloud Toolboxまたは任意のIoTクラウドに接続できます。Synergy Enterprise Cloud Toolboxは、Amazon Web Services™、Microsoft Azure™、またはGoogle Cloud Platform™にわずか10分程度で接続できるリファレンスデザインで、ルネサスが用意したWebダッシュボードに接続してセンサーデータを可視化できます。 

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AE-CLOUD2がもたらすメリット:

  • クラウド接続アプリケーションの評価、プロトタイプ作成、および開発の期間を短縮
  • LTE Cat-M1 および NB-IoTを迅速かつシームレスに評価
  • Amazon、Microsoft、およびGoogleが提供するクラウドサービスに接続するためのソフトウェアサポート
  • 世界各地で使用可能な認証済セルラーサポート
  • セルラー、Wi-Fi、イーサネット接続に対応
  • GPSを含むセンサーを搭載

■ セルラー通信導入時の様々な煩わしさをAE-CLOUD2が解消

AE-CLOUD2に関してセルラーの統合に着目したとき、組み込み開発者がセルラーIoTデバイスを開発する際に遭遇するものと同じ多くの課題に直面しました。最初に決定しなければならなかったのは、使用するセルラーの種類でした。セルラーをAE-CLOUD2に追加する際、選択肢にあったのは組み込みセルラーチップセット、組み込みモジュール、組み込みデバイスボードのいずれかを使用することでした。

基本的に、セルラーを統合するすべての組み込みアプリケーションは、セルラーネットワークに接続するための高周波チップの組み込み検討から始めます。設計者がセルラーチップを設計に統合することはできても、チップの設計から始めるには開発時間やリソースはもちろん、デバイスの認証コストも莫大にかかります。

そのため、設計者にとっては、組み込みチップセットを使用するよりも、組み込みに適したモジュールを使用するほうが、組み込みソリューションの複雑性が低く、全体コストも安いという利点があります。さらに、モジュールは市販品で、多くの場合ネットワーク認証もモジュールメーカーによって実施済みです。

AE-CLOUD2を開発したとき、セルラーチップを組み込むことも可能でしたが、開発期間を短縮するためにセルラーモジュールを選択しました。

組み込み製品の開発期間を短縮するため、セルラーモジュールを選択しましたが、私達にはまだ組み込みセルラーアプリケーションで発生する多くの問題がありました。セルラーモジュールを統合する際、モジュールメーカー、セルラーチップ会社、データプランを提供する移動体通信事業者、組み込みデバイス接続先のIoTクラウドの間で技術的なトラブルシューティングを実施する必要がありました。

例えば、組み込みデバイスがIoTクラウドに接続できないという問題です。最初のトラブルシューティング手順として、正しいATコマンドシーケンスがセルラーチップセットに送信されていることを確認する必要がありました。送信されるATコマンドの問題は、使用されるセルラー周波数のサポートに必要なセルラーチップセットのファームウェアバージョンに関連する場合があります。セルラーキットを開発する過程で、ATコマンドセットの問題を修正し、別の携帯電話通信業者用のサポートを追加するためにファームウェアを更新しなければなりません。正しいATコマンドセットが送信されていることを確認したら、次の手順として携帯電話通信業者と協力し、セルラーモデムはもちろん、その携帯電話通信業者のデータプランも正しく機能していることを確認します。セルラーネットワークへの接続で発生しそうな問題には、ユーザーの地域で適切なネットワーク範囲と信号強度を保証することが含まれます。

AE-CLOUD2の開発中には、研究所内の携帯電波の受信レベル不足という問題にも直面しました。受信電波レベル不足に対処するため、セルラー接続を試験できるように建物内の携帯電波受信レベルをIT部門に増強してもらわねばなりませんでした。

また、私たちが直面したもう一つの問題は、AE-CLOUD2のグローバルな使用の認証を受けるということでした。グローバルなRF認証を受けるためには、試験および設計を何度も繰り返す必要がありました。AE-CLOUD2がRF認証試験に合格することを妨げる基板の問題を特定するため、試験とデバッグを何度も繰り返さねばなりませんでした。基板から放出されるRFノイズは、認証試験に合格するための許容可能しきい値を超えていました。これらの追加試験によりAE-CLOUD2の開発遅延が生じコストも上がりましたが、グローバルなお客様を持つ当社にとって、世界各地で使用可能なAE-CLOUD2を開発するほうがはるかにメリットがあり、リソースを投入する価値がありました。

■ Renesas Synergyがセルラー通信を用いた組み込み開発の障壁を大きく低減

セルラー組み込みソフトウェアを開発するため、AE-CLOUD2はRenesas Synergy™ プラットフォームを採用しました。AE-CLOUD2用の組み込みソフトウェアコードは、TLS、MQTT、およびワイヤレスアプリケーションフレームワークを含むSynergyソフトウェアパッケージ(SSP)を使用して構築されています。

ワイヤレスアプリケーションフレームワークは、Wi-Fi、セルラー、およびBluetooth® Low Energyなどの技術を容易に実装できるよう設計されています。NetX™ Secure TLSは、デバイスとクラウド間の通信を保護および認証します。一方、MQTT for NetX™ Duoは、送信データ量の少ないデバイスの通信を可能にします。これらの構成要素により、主要なクラウドサービスプロバイダに接続するための手段がSSPによって提供されるため、開発着手する際の障害はほとんどありません。

AE-CLOUD2は、SSPアプリケーションフレームワークでセルラーモデムを統合するための上位アプリケーション層インタフェースとして、SSPセルラーフレームワークモジュールを採用し、データ通信用セルラーネットワークのプロビジョニング、設定、および通信を行うためのAPIセットを提供します。

セルラーフレームワークは、内部でATコマンドを実行することでシリアルインタフェースを介してセルラーモデムと通信するため、SSPアプリケーションフレームワーク(コンソールフレームワーク)を使用します。さらにSSPアプリケーションフレームワークは、NetX™ が提供するPPP WANプロトコルを活用し、データ通信用シリアルインタフェースを介してシリアルデータパイプも構築します。ソケット、NetX™アプリケーションプロトコル、およびIoTプロトコル(MQTTやCOAPなど)を使用し、このWide Area Network(WAN)リンクを介して任意のTCP/IP通信を確立できます。また、セルラーフレームワークは、ソケットAPIを使用したインターネットネットワークによって特定のセルラーハードウェアモジュールでチップ上(セルラーハードウェアモジュール内部)に存在するTCP/IPスタックと通信するため、フレームワークレベルのソケットAPIも提供します。

Without The Cellular Framework

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With The Synergy cellular Framework

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IoT分野におけるセルラーの活用で、組み込み開発者が求めるのは、新しい技術を迅速に応用し取り入れやすくするための優れたツールです。そのために最適なAE-CLOUD2は、変化し続けるIoTおよびセルラーの分野(領域)で開発者が常に先頭に立てるようサポートします。

ルネサス AE-CLOUD2の詳細は、こちら を参照してください

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